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安芸津歳實コーヒー / 焙煎職人の家

AKITSU TOSHIZANE COFFEE / House for Roaster

Roastery + Regidence, 2019, interior design

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焙煎職人の家|

 瀬戸内海沿いの東広島市安芸津町。恵まれた環境資源により、酒蔵や牡蠣の養殖、造船業などの豊かな産業風景を育ててきた。安芸津の小さな商店街にある「安芸津歳實コーヒー」は2018年の西日本豪雨による浸水被害を受けて改修した、木造二階建ての店舗兼住宅である。床上までにおよぶ浸水被害は高齢化した商店街に追い打ちをかけ、多くの個人商店が閉店を余儀なくされた。改修以前の焙煎工房は、母の営む衣料品店の一部を間借りして営んでいた。しかし、喫茶スペースがなかったことを始め、水害による商品被害や世代交代を機に、施主は焙煎工房を主軸に置くことを望んだ。​

 そこで、焙煎工房を道に沿って広げ、生豆・焙煎豆・梱包の流れをつなぐ豆棚や焙煎機などのコーヒー豆の製造工程を可視化した。生活と生業に挟まれた玄関土間は、客間、書斎、厨房を持つ住宅機能としながらも、コーヒーのドリップや喫茶としても使えるような両義的な空間とした。(「商店建築2020年12月号」/林恭正+熊谷和+中津川銀次)

個人住宅史との対話|

 人がどう生きたいか。予期せぬ災害をどう受け止めるか。

 この建築は、家族構成や安芸津の地域構造の変化に伴い、住まいと生業の境界面を動かしてきた。その境界に厚みを持たせることで住まい手の日常を多層化し、それらと田舎町の風景が共に「背景」として荒れる状態を目指した。それはまさに災害復興を経て町と向き合おうとする店主の態度であり、そこで営まれる暮らしとの対話はこれからも続いていく。

(「商店建築2020年12月号」/林恭正+熊谷和+中津川銀次)

概要|

​工事種別    内外装部分改修

在地     広島県東広島市安芸津

床面積     68 ㎡

工期      2018.11〜2019.02

共同設計者   林恭正, 中津川銀次

写真      吉崎努

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